失われた時間

ある人が「10年を失った」。

この10年を取り戻すためには、何が必要なんだろう?
物理的な時間を取り戻すことはできない。
だから、その人が満足する「何か」がいる。

それは、10年前よりも、現在のほうが、私は輝いている、私には
この10年が必要だったんだ、と思えることだったりする。
でも、これである、というパターン化されたものではなく、
ある人が10人いれば、その答えも10種類なはずで・・。


また、残りの時間の多い、少ないによっても、その10年の意味は違ってきそうだ。

ティーンエイジのときは、10年がべらぼうに長いものである、と認識していた。それが、歳を経るごとに、10年なんて実はとても短いものである・・・ということを知る。

でも物理的には10年は10年だから、歳を経るごとに、あっという間であればあるほど、大切にすごさなきゃ、あとで後悔する。

時間は大切にしたいものだ。


私も10年を失った、そんな風に思っていたときがあった。
無駄な十年のような気もしていた。あのとき、違うことをしていたら、私の人生、もっと違うものになっていただろうなあって思うこともある。
もっと、平凡で、穏やかで、しあわせだとは気がつかないほどのしあわせを手にいれることができていたのかもしれない。

いまも自分の尺度では、しあわせとはいえない。

でも、だれもがしあわせの尺度を持ち、それに向かって、がんばっているのだろう。

30歳、自分に合う仕事がわからない大学卒業以来、契約社員やアルバイトといった雇用形態で働いています。

職場によっては役職をいただいたこともありましたが、正社員経験はありません。

マスコミからサービス業まで色々経験しましたが、着地点を未だに見つけられません。

また、経験した苦労や自分の弱点から、臆病さが出てきました。

次の一歩をどう踏み出したらいいか、わかりません。
koto・サービス業・30歳・女性

ボクも同じように、もがきました水泳の自由形というネーミング、不思議ですよね。自由なのだからバタフライとか古式泳法とか色々あっていいはずなのに、まず間違いなく全員がクロール。もちろんこれは、タイムを競う以上クロールが一番速いからでしょう。しかしその一方で競泳全体に目を向ければ、背泳ぎには背泳ぎの、平泳ぎには平泳ぎのスペシャリストがいます。選手の皆さんはきっと、子供の頃から色々な泳ぎ方を学んできて、そのなかで自分にあった泳法を絞り込んできたのでしょう。

自分に合った職業は何なのか? そもそも自分はどういう性質の人間なのか? 社会に出てからもそれがわからず、あれこれ職業を試しては窒息寸前になっているあなたの気持ち、ボクはわかります。ボク自身もそうやってもがいてきたからです。喩えて言うなら、少し泳いでは泳法を変え、それを頻繁に繰り返すあまり息継ぎの余裕すら失い、プールの真ん中で溺れそうになっているのが今のあなたではないでしょうか。決して勝手気ままに生きてきたわけじゃない。むしろ真面目に自分を探し続けたからこそ、そうなってしまったんですよね。
次の一歩の始め方こういう時は一度プールサイドに上がった方がいいと思います。人生というレースの長さを俯瞰(ふかん)で眺め、中心となる泳法を定めるために、ゆっくり呼吸する時間を持つべきです。具体的には、タウンページに出ている職業をすべて読み込むぐらいの時間があっていい。そこに自分の経験、理想、発想も交え、そのうえで焦らずに決めるべきです。ただ、それはあなたが言う着地点ではありません。あなたはそこからまた、不器用に、失敗を繰り返しつつ泳ぎだすのです。

次の一歩は、一から始めよう、そしてとことんやり抜いてみようという覚悟の一歩、忍耐の一歩です。これはまさに自由形ですが、クロールである必要はありません。あなたがじっくり泳いでいける泳法を探しましょう。